大快晴のてだこホールで開催された第12回。前回まで、お手本もない、答えもない、ピンポン玉はボロボロ溢れていく、そんなモヤモヤする工作&プログラミングに取り組んできた子どもたちと保護者の皆さま。この日はまず、ミッションクリアのために必要なことと、皆が発明した知見を少しだけ体系的に整理・共有して、それぞれのアイデアや、取組み方をもう一度考える時間を設けました。そこで話したことを簡略化して掲載しておきます。(子どもたちにはもう少し平易な表現で話しました)

目的を達成するために何が必要か整理する

今回のミッションは、ピンポン玉を運ぶロボットが黒い線をたどって、ゴール地点にある箱に、より多くのピンポン玉を入れるというもの。

これまで試行錯誤してきたことを思い出し、整理しながら、ミッションを達成する為に必要なことを考えてみます。例えば、下の図のように、プログラミングと工作に大きく分けて、それぞれに必要なことを考えてみます。

はじめに大きなまとまりで考えて、それぞれを分解していく「段階的詳細化」

達成するゴールがおおよそ分かっている場合は、ゴールから必要なことをひとつひとつ分解して整理していくと、わかりやすくなっていきます。これは「段階的詳細化」という考え方で、プログラミングの仕組みを考えていく上でも、何か工作でモノづくりする上でも、覚えるとすごく便利なものごとの整理の方法なので、ぜひ活用してみてください。

必要なことを例として挙げた配布資料

必要なことをひとつひとつ分解していく

次に、上で整理した必要なことをを、ひとつひとつ細かく考えていきます。例えば、プログラミングのライントレースを実現するために必要なセンサーや、タッチセンサーってどういう仕組だっけ?と確認したり、

センサーやモーターをコントロールするためのプログラムの書き方を確認したり。

そして、もうひとつの必要なことだった、ピンポン玉を運ぶ仕組み。必要なことをさらに細かく考えて、整理します。例えば下の図のように、

  1. ライントレースをすること
  2. ピンポン玉をはこべること
  3. ピンポン玉を落とせること

1はプログラミングで実現しますね。

2は工作でピンポン玉を運ぶものを創ります。

3はピンポン玉を落とす仕組み。工作と、アイデアによってはプログラミングを組み合わせることもできそうです。

2のピンポン玉を運ぶ工作にもいろんなパターンを皆が発明していました。それを次の図のように整理してみたり、

3の落とす仕組みは、次のように分けてみたり。

こうして、必要なこと、自分が考えたアイデアや、.他の人が考えたアイデアをまとめたり、分解したり、組み合わせたり、ミッションを達成するために、いろんなパターンを考えて、つくってみて、ためしてみて、問題だったところを改良して。これを早く繰り返していきます。

経験のないこうしたモノづくりでは、一発で完璧な答えが描けて、一発で成功する、なんてことはまずありません。はじめは必要なことを知るために、荒くでも作って試して、失敗の原因から必要なことを考えて、また試して。そうした「仮説を立てて検証する」「分類してパターン化する」をなるべく早く、多く繰り返すことで、どんどんやることがはっきり分かってきます。ぜひこれからロボットやゲーム創りにチャレンジする子たちも取り入れて欲しい考え方です。

そして楽しみながら続けましょう

とはいえプログラミングも工作も難しいところは沢山あって、そう簡単には進みません。分からなくて、気がのらなかったり、イライラしたり、一緒に来たお父さん、お母さんと喧嘩してしまったり(笑)。

ピンポン玉運びと同じで、はじめから完璧に理解することなんて無理だ、と開き直ってみることも重要です。あまりにも根を詰めてしまって、嫌いになって辞めてしまったら逆効果です。ひとつずつ、試してみて、失敗した原因を考えて、また試してみて…と繰り返していくうちに、いつの間にか自分の頭の中でつながって「あ、わかった」という瞬間が必ずきますので、疲れたら仲間の作品を眺めたり、他の子のアイデアを聞いてみたり、好きなアニメの話しをしてみたり、自分が楽しく続けられるリズムで取組んでみましょう。

世界的なパンデミックの影響で、この回が最後の開催となってしまいました。モノづくりも、最後に予定していた、ロボコンも、もっと皆で楽しみたかったですね。本当に残念です。

第2期の皆さんには最後の挨拶もできませんでしたが、いろんな発想と感性、創造力をもった本当に楽しいメンバーでした。半年間参加してくれてありがとうございました!